東京国際ファンタスティック映画祭

1999年10/29〜11/5まで

渋谷パンテオンにて

 

中川信夫没後15年追悼上映

『地獄』

中川信夫の映画ワールド

柔軟な演出、多彩な実験精神、そして豊な映画言語
半世紀早すぎた万年映画少年

上映作品

怪談・恐怖映画 

『東海道四谷怪談』『地獄』『怪談 累ヶ淵』『亡霊怪猫屋敷』『女吸血鬼』『毒婦 高橋お伝』『怪談 蛇女』『怪異談 生きてゐる小平次』

時代活劇

『八百万石に挑む男』『妖艶毒婦伝 人斬りお勝』

喜劇

『エノケンのとび助冒険旅行』

文芸物

『思春の泉』『若き日の啄木』

社会劇

『かあちゃん』

キネカ大森にて

2000年5月27日 〜 6月23日まで

 

怪奇との戯れ、死の幻影

トークショー2000年キネカ大森 

5/27 沼田曜一(『地獄』出演)×宮川一郎(『地獄』脚本)

5/28 江見俊太郎(『東海道四谷怪談』出演)×聞き手・宇田川幸洋(映画評論家)

6/17 渡辺宙明(『怪談 累ヶ淵』『亡霊怪猫屋敷』『東海道四谷怪談』『地獄』音楽)

6/18 鈴木清順(映画監督)×桂千穂(脚本家)

*6/17中川信夫命日には酒豆忌も行われた

中川信夫全宇宙への助走

2000年6/24〜7/7キネカ大森

時代劇・喜劇・社会劇・文芸物

〜職人芸と詩人の眼のはざまで

中川信夫といえば怪談恐怖映画の巨匠と、一般には知られている。

このレッテルのために中川信夫監督がもっていた優れた作家性とその精神世界を批評家をはじめ
多くの人たちは見落としていた。

時代活劇、喜劇、推理物、歌謡物、文芸物、社会劇などあらゆるジャンルの仕事をおしてきた
オールマイティの監督も珍しい。

そして、どの作品にも自分の視点、人間に対する想いが一貫していた数少ない監督である。

中川信夫を語るとき、広い視野の作品を観ることによって、その全宇宙をつかむことができる。
デビュー以来の時代劇における娯楽性(ユーモア精神も含め)と、時代劇というオブラートに包んだ
体制への抵抗、その後のエノケン物の喜劇と風刺といった中で培われた職人的手腕が、
さらに磨きをかけて幅広い分野に広がっていた。
そして、詩人の優しさをもって人間を見つめ、弱い者の視点の立場を忘れずに貫き通した。

この中川信夫の全宇宙の披瀝は諸事情あって今回は出来なかったが、
5年後の2005年4月17日の生誕100年、没後20年の節目には実現させファンの
皆さんの期待に応えたいが、まずは、その一片を先に上映する怪談恐怖映画と共にご覧下さい。 

〜中川信夫監督追悼上映実行委員会より〜

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